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社会インフラを支える 補修・補強

社会インフラの老朽化が進む中、既存構造物の補修・補強は、私たちの安全な暮らしを支える重要な業務となっています。特に課題となっているのが、橋梁の補修・補強です。2033年までに約58%が建設後50年を超えると予測され、経年劣化の進行や大型車両の増加による負荷、新たな耐震基準への対応が求められています。
より安全で信頼性の高い補修・補強工事を実現するために、鈴与建設では高度な技術力と豊富な経験を活かし、詳細な事前調査結果に基づく最適な材料や工法の選定と確実な施工管理を徹底。つねに新しい技術を求め、日々の取り組みを通じて、地域社会の安全・安心の確保に貢献します。

主要な施工事例と創意工夫の紹介①

★東名高速道路小柳津高架橋支承取替工事における床版動態観測方法の工夫

本工事は、東名高速道路小柳津高架橋における大規模な支承取替工事です。支承取替対象は53基、ジャッキアップ箇所は約250箇所に及び、支承設置箇所の高さは地上から15m程度、施工延長約1kmという広範囲な工事となりました。従来の計測方法では作業員の負担が大きく、安全面の確保が難しい状況でしたが、最新技術を活用した独自の計測システムを開発することで、課題を克服しました。

<主な課題>
  • 高所作業(地上約15m)による作業員の安全確保
  • 広範囲(約1km)にわたる計測作業の効率化
  • 外ケーブル補強取外しに伴う構造物の安全管理
  • 多数の計測ポイント(約250箇所)の継続的な監視
<対応策および工夫>
【非接触型計測システムの導入(ジャッキアップ箇所)】
  • ミリ波レーダーによる自動計測システムの開発
  • Wi-Fiとクラウドを活用したデータの自動保存
  • 1日4回の定期計測による確実な管理体制の構築
【安全監視体制の確立】
  • 床版下面への歪ゲージ設置による常時計測
  • 異常値検知時の自動メール通知システムの構築
<実施効果>
  • 現地での計測作業が不要となり、作業員の安全性・効率性が向上
  • 無人で24時間自動計測が可能に
  • 異常時の即時対応体制の確立

歪ゲージ:構造物や部材の変形(ひずみ)を電気的に測定するセンサー

中日本高速道路株式会社東京支社より社長表彰、安全優良事業所表彰を受賞

主要な施工事例と創意工夫の紹介②

★東名高速道路豊川橋支承取替工事における大型支承の施工方法の工夫

本工事は、国土交通省が推進する緊急輸送道路の耐震化事業の一環として実施された橋梁補強工事です。中でも最大の特徴は、約30トンの大型支承を設置した点にありました。
大型支承の採用に伴い、アンカーボルトやベースプレートも大型化。一基当たりの施工費も高額で、一度のミスが致命的な手戻りにつながるため、極めて高い精度と計画性が求められる工事となりました。
現場では、綿密な施工計画と高度な技術力の融合により、大型支承設置における高精度施工を実現。今後の同種工事における技術的モデルケースとなりました。

<大型支承設置における主な課題>
・アンカーボルトの配置が複雑化

上部工内部の既設鉄筋との干渉を回避するため、アンカーボルトの配置は非常に複雑となり、精度の高い測量・確認が必要でした。

・ベースプレートの高精度施工が必要

支承の大型化に伴い、ベースプレートの板厚は120mmと極厚仕様。アンカーボルトの鉛直性・水平位置ともに高い精度が求められました。

・設計上の寸法余裕が非常に小さい

アンカーボルトの直径が80mmに対し、ベースプレートの穴径は83mmとわずか3mmの余裕。少しのズレも許容されない厳しい条件でした。

<解決策と施工上の工夫>
【大型支承設置の3Dイメージを作成し、課題を見える化】
【測量精度の向上】

→ 高性能スキャナー測量を導入し、各アンカーボルトの位置を座標で厳密に管理。

【施工前の確認性向上】

→ アンカーボルトとソールプレートの実寸模型を製作。事前に試験施工を実施することで、施工ミスのリスクを事前に排除。

<実施効果>
  • 全260本のアンカーボルトを高精度で設置することに成功
  • 高性能スキャナー測量により、測量日数を5日間短縮
  • 大規模かつ高リスクな工程において、事前対策により施工トラブルを未然に防止

中日本高速道路株式会社東京支社より安全優良事業所表彰を受賞

主要な施工事例と創意工夫の紹介③

★橋場桟道橋耐震補強工事における施工方法の工夫

本工事は、橋場桟道橋の耐震補強および道路拡幅を目的とした第1期工事で、富士川に面した厳しい施工環境の中、橋脚下の洗堀箇所(水中部含む)をコンクリートで置き換える工事でした。困難な施工条件を、綿密な計画と発注者やコンサルタントとの入念な事前検討により克服し、安全かつ効率的な施工を実現しました。

<主な課題>
  • 洗堀箇所(コンクリート置換え部)に降雨の度に土砂が堆積し、施工の妨げとなる。
  • 洗堀箇所の形状が不明瞭で、置換えコンクリートの打設量の把握が困難。
  • 橋梁上部の道路幅員が狭く、大型車両の通行が多いため、施工ヤードの確保が難しい。

着手前

施工中

施工完了

<対応策および工夫>
  • 施工箇所全面に大型土嚢を設置し、土砂の侵入を防止。潜水作業により堆積土砂を撤去しました。
  • マルチビームソナーにより、複雑な洗堀箇所の形状を詳細把握。施工方法と数量の精度を向上させました。
  • 河川側へ機械設置用の仮設構台を設置し、スペースを確保。

仮設構台設置および堆積土砂撤去状況

洗堀箇所

マルチビームソナー測定結果

<実施効果>
  • 最新測量技術導入による作業効率の向上
  • 施工の省力化・省人化の実現
  • 一般交通への影響を最小限に抑制

静岡県富士土木事務所より優良技術者部門 事務所長表彰 を受賞