物流業界では、EC市場の拡大、人手不足への対応、コールドチェーン需要の増大など、数多くの変化に直面しており、物流施設に求められる機能水準は年々高度化・複雑化しています。鈴与建設は、物流を祖業とする鈴与株式会社から独立した建設企業として、これまで数多くの物流関連施設を手掛けてきました。お客様の物流施設建設におけるさまざまな課題に対し、鈴与建設が豊富な建設実績による技術の蓄積と物流を核とする企業グループの強みを最大限に活かし、解決します。
当社では、物流施設の豊富な施工実績から、実際の施設におけるオペレーションに最適化した構造スパンや、エレベーター・垂直搬送機等の搬送機器の配置計画を検討、ご提案します。パレット配置やフォークリフト走行、トラックバースへの車輛接車台数などは、オペレーションの効率化や施設の効率稼働を実務レベルで把握して検討。その上で最適な施設プランをご提案し、お客様の物流における価値創造を支援します。
物流施設計画においては、建物の構造形式・仕様の選択が、施設全体の経済合理性に大きな影響を及ぼします。より効率的な構造仕様を実現するために、鈴与建設では構造コストの低減につながる各種の要素技術を技術メニュー「SK-hybrid」に集約。部材価格に応じた鉄骨造(S造)・RCS造(柱RC+梁S造)の選択、施設の耐荷重設定に応じた柱・梁部材の仕様選択といった各種の構造メニューを組み合わせ、お客様の求める施設スペックの実現と経済合理性を両立した最適な構造パッケージをご提案します。
コールドチェーンの拡大に伴い、近年では、低温・超低温の荷物を取り扱う冷凍・冷蔵物流施設のニーズが高まっています。冷凍・冷蔵物流施設においては、空調機・冷凍冷蔵設備の配置や仕様、風量を適切に設計することがポイントです。お客様の求める温度環境を構築するために、徹底してムラ・ムダを排除し、大切な取扱い品の品質を保ちます。
鈴与建設では、設計段階において3次元情報を用いた空間内の温度解析・気流シミュレーションを行うことで庫内の温度環境を可視化。異なる温度帯の保管エリアが開口部を挟んで隣接する場合においても、各エリアそれぞれの温度環境が確保できるよう最適設備を計画します。
物流倉庫は年々進化を遂げ、単なる保管スペースから高度な機能性とデザイン性を備えた施設へと変貌しています。その中で床は最も広い面積を占め、倉庫全体の価値を大きく左右する重要な要素です。現代の物流施設では、美観だけでなく、不陸※やひび割れのない高精度な床面が強く求められています。(※不陸:平でなく凹凸がある状態)鈴与建設では、お客様の高度な要求に応えるため、床コンクリート施工において様々なこだわりを持ち、品質と精度の向上に努めています。
試験施工
床コンクリート打設
床コンクリート押さえ
打設後の湿潤養生
完成時
定期点検時
ひび割れの調査
近年、気候変動の影響によるゲリラ豪雨や台風被害が増大しており、物流施設においてもこれまで以上に防水・止水性能を要求されます。鈴与建設では、過去の施工実績や豪雨対応の経験から、施設や部位・部材の特性に応じた止水対策ノウハウを標準ディテール図にまとめ蓄積。屋根・外壁・アルミサッシ・スチールサッシなどに防水性に優れた部材を採用するだけでなく、細部の納まりにいたるまで、二重止水を徹底しています。また、止水性能の確認に万全を期すため、屋根や外壁の施工完了検査だけでなく、外壁施工中の止水処理時にも水掛試験を行っています。
冷凍・冷蔵物流施設においては、壁・天井・床や開口部を挟んで十数度~数十度単位の温度差のある区画が隣接し、温度差による結露の発生や結露水の凍結による結氷のリスクが各所に点在しています。その課題に対し、鈴与建設では、冷凍・冷蔵物流施設における結露・結氷リスクのある個所を特定し、リスト化。入出庫口等の開口部や配管・ダクト等の防熱区画貫通部、床下、各階スラブ面など、部位に応じた要因解析を行い、結露・結氷による作業環境の悪化、商品汚損、設備等への影響を防ぐべく、万全な対策を実施します。